グェル公園の絵描きたち スペイン・モロッコ旅行記(6/6)

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グェル公園に向かう

朝はゆっくり起きた。 グラシア大通り沿いのカフェでお茶しつつ、ひとり作戦会議。 12,3歳くらいの少女が寄ってきて自分の左掌を右手人差し指で指しながらスペイン語でなにやら言ってくる。 ジプシーの物乞いである。 追い払ったが、朝から悲しい気分になる。

今日の目的は、グェル公園にいくこと。グェル公園は、ガウディが設計した公園で曲面を多用したデザインと、その外観に張られた色とりどりのタイルがどこにもない世界を垣間見させてくれる。そしてそこには、画家が自らの作品を販売する一角がある。それらは値段も手ごろで良い作品も多い。以前来たときも、一枚買って帰ったのだが、またもや買い付けにやってきたのである。

画家の即売所

グラシア通りでタクシーを捕まえ、ビセーンス邸経由グェル公園行きを頼む。公園に到着すると、画家の即売所へと上り坂をあがっていく。すると、まだありましたよ、やってました。 10人くらいの画家がずらりとならんでいる。かれらの傍らには多くの絵が飾ってあったり、スタンドに立ててあったりしている。彼らは、当局(市なのか公園なのか不明)から絵の販売許可書を支給されている。販売許可の審査が厳しいのか、"なんちゃって画家"は見受けられない。バルセロナの芸術振興の一環なのであろう。

見学をスタートする。個人旅行なので時間無制限で絵を選べるのはうれしい。ポスターも悪くはないが、原画の迫力は格別である。こっちが真剣なので、画家のほうも一生懸命売り込んでくる。

適当に話を聞き流しながら絵を選んでいると どこか変な感じがする。 言ってくる言葉がよく理解できないのだ。 しっかりと聞いてみると、文法は英語のようだが、単語のほとんどがスペイン語のようだった。 いちいち単語を確認しつつ話をしてみると、 この黒人のおじさんはチリからやってきたらしい。 チリはたしかスペイン語圏だった。 南米とスペインは結びつきがつよいと聞いていたが、 実際の事例を目の当たりにしてその理由が腑に落ちた瞬間だった。

絵を選ぶ

おじさんの売り込みは続く。 彼は私に絵画コンクールの受賞暦を見せた。 その内容といえば、チリ時代からスペイン時代まで錚々たるもの。 これが本当ならすごい。 日本の画廊にも販売したことがあるらしい。 私はそのうち70ユーロくらいでよい絵を見つけた。 しかしサイズが大き過ぎて持って帰れそうにない。 当たり前だが折ったり曲げたりしたくないので、 カバンに入るサイズしかかえないのだ。 そこで結局45ユーロの小さい絵を買った。 日本で額に入れたら額のほうが高くつくだろう。

絵描きたちがそれぞれがかなりの在庫を持っているお陰で、 疲れると彼らに並んで涼を取ったりしながら、 私はかなり長い時間ショッピングを楽しんだ。 私は妙に話しかけられるという体質をもっているが、 ここでもその能力が遺憾なく発揮され 「トイレどこですか」とか「お茶はどこで飲めますか」 とか聞いてくる。 どう見てもツーリストだろ。 絵描きた ちもなんであいつばっかり聞かれるんだと笑っている。

結局、私は2枚の絵を買いグェルを引き上げた。その内一枚は、友人が建設中の新居に贈ろうと購入したがどうもプレゼントにそぐわないことが後日判明。縁起の悪い数字、”4”輪の花が描かれた絵なのだった。

ガウディづくし

絵をホテルに置いたあと、バルセロナ定番のサクラダファミリアへ。 サクラダファミリアは、2年前から完成度が変わってない感じ。 永井豪の手によるかのような邪悪なデザインは本当に教会たりえるのか完成する未来が楽しみである。 サクラダファミリア見学のあとはランブラス通りをそぞろ歩いたり、 ガウディ建築の見学を全クリアしたりした。

一番好きなガウディ建築を問われたら私はミラ邸と答えるだろう。 ミラ邸はグラシア通りに面した建物で、 ビジネスビルとしての利用を想定していたのだと思う。 特徴的な色とりどりのタイルこそ貼られていないが、 独特の感性でデザインされており、 普通の施主なら到底OKしないであろう威容を誇っている。

ガウディとの脳内会話

わたくし「ガウディさん。あなたの今度の建物は正気を疑うくらいすごいですね。私、未来から来たんですけど、あなたの建築物はバルセロナの観光事業にかなり貢献してますよ」

ガウディ「これから、私、成功するんですかね」

わたくし「もちろん」

ガウディ「パトロンさんにはかなり苦労かけてるんですが、いつ成功するんですか?」

わたくし「あなたが亡くなってからです」

ガウディ「いやや」

わたくし「だって、この建物を今の人が理解するのは無理ですって」

ガウディがっくりうなだれる。

翌日、スペインの有名百貨店「エル・コルテ・イングレス」でカバを買った。スペインで買うべきなのはカバ、エキストラバージンオリーブオイル、CAMPERの靴、LOEWEの革製品ではないかというのが私見である。

そしてその後、バスで空港に行き、バルセロナを後にした。

実はこの後、一週間も下痢に悩ませられるのだが、この時はそれをまだ知らない。

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このブログ記事について

このページは、kowasが2008年3月23日 23:01に書いたブログ記事です。

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