2003年3月、展示会見学の為にドイツはハノーファーに行った。その週末、ベルリンを観光した。後に訪問される方のよい手引きになることを祈って記録を残す。
ベルリン東駅付近のホテルIBISに投宿。ホテルIBISは世界中に系列ホテルを持つビジネスホテルグループ。特に欧州に施設が多く、値段も比較的安いので気に入っている。チェックインした後、食事でもしようかとホテルのレストランを避けて外にでた。
ところが、東駅周辺は、旧東独側ゆえか閑散とした感じ。見渡したところホテルの近所にレストランがない。そこで向こうに見える駅ビルらしきところを目指す。立派な駅ビルに到着すると、中には本屋やら携帯電話屋やらがテナントとして入っており、食事もできそうだとわかった。
とりあえず、閉店間際の本屋で立ち読み。マンガコーナーをちょっと覗くと、ドラゴンボールに交じってプラネテスの単行本発見。プラネテスは比較的最近のマンガなのだが...と、すばやい輸入に感心。PC関連の雑誌を軽く立ち読み。(ドイツ語はわからないので立ち見か?)
その後、駅ビルの中心に進むと、フードスタンドがやっていた。英語がまったく通じないが、身振り手振りで、ビールとソーセージと、ハンバーグをいただく。東洋人が珍しいようでほかの客がきょろきょろと私を見ている。
翌日、東駅でSバーン、Uバーン、バス共通の一日切符(料金 6.1EUR)を購入し、Sバーンに乗ってベルリン動物園駅に移動。Sバーンというのは近郊列車のこと。ちなみにUバーンは地下鉄。UバーンのUは英語で言うとところのUnder=ドイツ語のUnterの頭文字だ。
故開高健の名作「夏の闇」のラスト、別れを予感した男と女がベルリンの環状線に乗るシーンがある。環状線は、旧東側と旧西側の駅を円環状に結んでいる。少し引用してみる。
しばらくすると女が、
「東にはいったわ」
といった。
またしばらくすると
「西にはいったわ」
といった。
乗ったままでいると、電車はいつまでも市の上空を旋回しつづけた。
(中略)
しかし、どの駅も同じ無人境なので各駅停車もノン・ストップも同じことである。頑固に、勤勉に、正確に、止まったり、かけぬけたりするが、おなじことだった。入ってきて、人生と叫び、出て行って、死と叫んだ。
私の中のベルリンはこの美しい描写の中にあった。多分同じ線と思われる列車に乗り、私は人生の宿題の内のひとつを片付けたような気持ちになった。感傷的な感情がやってきた。しかし、私の横には、黒装束にスキンヘッドのネオナチ大男が2人くつろいでいて、危険な感じなのだった。
